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イメージングエリプソメーターの仕組みは?

イメージングエリプソメーターは、従来のエリプソメーターの測定原理を受け継いでいます: エリプソメーターは、サンプルに起因するプローブ光の偏光変化を測定します。この変化は、プローブ光のエネルギーまたは波長毎に2つの実数、いわゆるエリプソメトリックパラメーターに変換されます。Δ(以下「デルタ」)とΨ(以下、「プサイ」)。これらのパラメータは、サンプルモデリングによる計算によって、目的のサンプル特性(例えば、1つまたは複数の薄膜の膜厚、屈折率、吸収など)に変換されます。

従来のエリプソメーターとは異なり、イメージングエリプソメーターは、プロービング光の偏光状態や偏光アナライザーを変調(偏光変調)させながら、顕微鏡画像群(強度値「だけ」ではなく)を取得します。カメラの各ピクセルは個々の光検出器として機能し、その結果、500 000以上の光強度曲線が並行して測定されます。そして、顕微鏡画像の各画素は、ΔとΨの値を返し、それぞれの2次元像を得られます。したがって、モデリング計算では、各ピクセル毎の測定値を求めることが可能です。

アキュリオンのイメージング・エリプソメーターは、一般的な「エリプソメーター」を応用しています。

PCSA型(偏光子(Polarizer), 補償子(Compensator), サンプル(Sample), 検光子(Analyzer))
: 偏光制御装置(Polarization State Generator: PSG)は、直線偏光板と位相差補正用の波長板(保障子、Compensator)から構成されています。顕微鏡対物レンズと画像検出器の間に位置する偏光アナライザー(Polarization State Analyzer: PSA)は、直線偏光板のみで構成されています(図2)。

3つの偏光コンポーネント(Polarizer: P、Compensator: C、Analyzer: A)は、偏光変調のためにモーター駆動の中空シャフトローテーターに取り付けられています。Accurionのイメージングエリプソメーターは、ヌーリングエリプソメトリー法と回転補償子エリプソメトリー法の測定方法を採用しています。どちらの場合も、取得した画像群の各ピクセルから、適用したP-、C-、A-回転角の設定の関数として強度曲線が得られます:

  • ヌーリング・エリプソメトリー(NE): 偏光子(P)と検光子(A)を繰り返し回転させ、相対強度の極小値の角度位置を検出し、ΔとΨを計算するモードです(図3)。エリプソメトリーの中で最も精度が高く、屈折率や層厚の極めて小さな変化(単原子層や単分子層の段差など)を検出するのに特に有効なモードです。
  • 回転補償子エリプソメトリー(Rotating Compensator Ellipsometry: RCE):RCEは、カメラ信号を補償子回転角の関数として測定します(図4)。あらゆる種類のサンプルを高速で測定できるため、最も一般的なエリプソメトリー測定法の1つです。

これらの補完的なエリプソメトリー測定を1台の装置で提供できるのは、Accurionのイメージングエリプソメータの優れた特徴です。